中国依存低減へ

 これに先立ち、米銀大手JPモルガン・チェースのアナリストらは、アップルが22年内にiPhone 14の世界生産の約5%をインドに移管すると指摘した。25年までに全iPhoneの25%をインドで生産する可能性もあるという。

 香港のカウンターポイント・リサーチによると、アップル製品のインド生産はいまだ規模が小さい。アップルの世界製造規模に占めるインドの比率は21年時点で約3.1%だった。22年は5~7%に上昇するとみられるものの、現在の中国の比率である95.3%と比較すると極めて小さい。

 一方、中国では、上海などの産業中心地で敷かれたロックダウンにより、サプライチェーン(供給網)や物流網が混乱した。これが消費を抑制し同国の経済全体に影響を及ぼした。これについてCNBCは、アップルの潜在的な弱点を浮き彫りにしたと指摘する。こうした中、アップルは主要サプライヤーに対し、中国外の製造拠点で生産を増やすよう求めている。

高価格モデルに移行のインドで販売拡大

 アップルは世界2位のスマホ市場であるインドでの販売拡大を目指している。カウンターポイント・リサーチによると、21年のインドのスマホ市場におけるiPhoneの出荷台数シェアはわずか3.8%だった。アップルはインド市場で、韓国サムスン電子や中国・小米(シャオミ)などの低価格スマホを手がけるメーカーに大きく引き離されている。

 だがアップルは、価格が4万5000ルピー(約8万円、552米ドル)以上の「ウルトラプレミアム」カテゴリーには強い。22年4~6月期、同社はこのカテゴリーで最も売れたブランドになった。iPhone 13の好調な販売が寄与した。

 カウンターポイント・リサーチのアナリストは、「アップルはインドで強い勢いがある」と指摘する。高価格モデルへの移行が始まった国は世界に約20カ国あるが、インドはその中の1国だという。

 (参考・関連記事)「アップル、iPhone生産の25%をインドで 25年まで | JDIR