メタの22年4~6月期決算は、売上高が前年同期比1%減の288億2200万ドル(約4兆1300億円)、純利益が同36%減の66億8700万ドル(約9600億円)だった。売上高全体の約98%を占めるネット広告事業が振るわず、12年の上場以来初の減収となった。

 メタの株価は22年に入ってこれまでに56.6%超下落しており、同社の時価総額は21年9月のピーク時から6850億ドル(約98兆1700億円)以上減少している(独スタティスタのインフォグラフィックス)。

幹部の発言に変化、評価低い従業員を特定

 新型コロナウイルス禍の需要増で雇用を急拡大してきた同社だが、ここのところ幹部の発言にも変化が表れているようだ。

 ジ・インフォメーションによると、ザッカーバーグCEOは22年6月に開催した全社会議で「現実的に、ここにいるべきではない人が会社にはたくさんいるようだ」と述べた。また、メタの技術部門トップがマネジャーらに対し、惰性で働いている部下や仕事能力の低い部下を特定するように指示した。そのうえで解雇を念頭に、それらの部下を改善計画に基づく観察下に置くよう命じた。

 景気後退への懸念やネット広告市場の混乱を背景に同様のコスト削減策が他社にも広がっている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米グーグルは22年9月中旬、スタートアップを構築するインキュベーター制度「エリア120」の約半数の従業員に対し、90日以内に社内で別の職務を探すよう伝えた。

  同社のスンダー・ピチャイCEOは22年7月、従業員宛て電子メールで年内の採用数を縮小する方針を明らかにした。米CNBCによると、同氏は22年9月初旬に開催されたテクノロジーカンファレンスに登壇し、「会社の生産性を 20%向上させる方法を見つけ出す」と述べた。

 メタの22年6月末時点の従業員数は8万3553人。1年前から32%増加した。グーグルの持ち株会社である米アルファベットの22年6月末時点の従業員数は17万4014人で、同20.8%増加した。

 (参考・関連記事)「MSも人員削減へ、メタは解雇念頭に低評価の社員特定 | JDIR