指示機能を自動化する統合制御システム「RCS(リソースコントロールシステム)」を導入する、日立物流の物流センター

 ネット通販が拡大している現代で、今や社会インフラとなった物流。しかし、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、トラックドライバーの平均年齢は全産業で最も高く、高齢層の割合が高い。若い労働力が少なく、限られたベテランで日々の仕事に取り組むのが現状だ。

株式会社日立物流 経営戦略本部 経営戦略部長 石山圭氏。1995年入社、主に産業系顧客の電子部品を扱う現場で、包装設計業務、物流品質管理業務を担当。1998年シンガポール現地法人に駐在。2001年千葉県エリアの産業系・流通系の物流業務の運営管理を経て、2017年より現職でDX戦略の策定などに従事。

 日立物流の経営戦略部長 石山圭氏は、「各業界がSociety5.0に進化する中で、電話やFAXがいまだに現場で頻繁に使われるなど、まだ4.0ですらないのが物流業界。そうした中で日立物流は1985年から情報・保管・輸配送のトータルサービスであるシステム物流(3PL)に取り組んできた」と語る。

 現在、同社は『DX戦略 - 「LOGISTEED 2024」』に取り組む。「LOGISTEED」は、LOGISTICSとExceed、Proceed、Succeed、そしてSpeedを掛け合わせた造語。ロジスティクスを超えてビジネスを新しい領域に導いていく意思を込める。

DX戦略の基本方針「CPS(Cyber Physical System)と協創による価値創造」
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 DX推進戦略は社外と連携する「エクスターナルDX」と社内向けの「インターナルDX」に分けられており、戦略の基本方針には「CPS(Cyber Physical System)と協創による価値創造」を掲げる。まずは現場にあるデータを集約して可視化させる。次にそのままでは使えない大量のビッグデータを、長年培ってきた経験やノウハウを加えてサイバー上で解析し知識化する。最後に、そこで蓄えた情報や価値を再び現場にフィードバックする。この循環を通して現場力を強化し、持続可能な物流の構築と新事業・サービスにつなげていく考えだ。