バッテリーの原材料費2倍に上昇

 米コンサルティング会社アリックスパートナーズによると、EVの中で最も高価な部品はバッテリー。その原材料価格は最近高騰しており、メーカー各社は値上げでコスト上昇分を相殺しようとしている。リチウムやニッケル、コバルトの価格は、新型コロナ禍前から約2倍に跳ね上がったという。

 大気汚染規制の強化や、気候変動に対する株主の懸念、EV市場の成長性に対する証券・金融業界の期待に突き動かされ、自動車メーカーは開発と市場展開に力を入れている。

 アリックスパートナーズの推計によると、自動車業界がEV開発に投じた費用は過去2年間で2倍に膨らんだ。22年から26年までの5年間で各社がEV移行に投じる費用は計5260億ドル(約71兆5500億円)に上るという。

EV販売は全体の5%

 一方で、メーカーの幹部らは、EV価格の上昇が消費者購買意欲の低下につながるとは考えていないという。ある幹部は「現在市場で販売されているモデルに対する需要は、数年前に価格設定した際に予想したものよりも強い。発売から間もない一部のEVは予約件数が数万に上り、納車まで数年待ちという状態だ」と述べている。

 燃料価格の上昇がEV人気を後押ししているとも指摘されている。米自動車価格情報サイトのトゥルーカーが22年春に行ったアンケート調査によると、半数以上がガソリン価格の上昇を理由に「今後EVの購入を検討する可能性が高い」と回答した。

 もっとも、EVの販売台数は依然として少ない。JDパワーによると、ここ数カ月の米国EV売上高は自動車全体の約5%。JDパワーのデータ分析担当バイスプレジデント、タイソン・ジョミニー氏は、「やがては富裕層だけでなく一般の人にも手が届くようにする必要がある」とし、「メーカーは一般消費者の間でEVを普及させるために、より安価なモデルを市場投入する方法を見つける必要がある」と指摘した。

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