フォード・モーターは「マスタング・マッハE」を値上げ(写真:フォードHPより)

 米自動車メーカーが電気自動車(EV)の価格を相次いで引き上げていると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。EV用バッテリー(2次電池)の原材料コスト高騰を相殺することが理由の1つで、メーカーの幹部らにとっては、EVに対する消費者の強い関心に乗じる狙いもあるという。

テスラ、今年3回目の値上げ

 2022年6月の2~3週間で、米テスラや米ゼネラル・モーターズ(GM)、米フォード・モーターのほか、EVスタートアップ企業の米リヴィアン・オートモーティブや米ルシード・モータースも一部モデルを値上げした。

 GMは22年6月下旬に、原油などの国際商品(コモディティー)価格や物流コストの上昇を理由に電動ピックアップトラック「ハマーEV」の価格を6250ドル(約85万円)引き上げた。

 テスラは22年に入り、小型SUV「モデルY」の四輪駆動(4WD)車の価格を3回引き上げた。米アライアンス・バーンスタインによると、現在は当初の店頭表示価格から9%増しの6万9900ドル(約950万円)で販売しているという。

 米調査会社のJDパワーによると、22年5月における米国のEV平均販売価格は5万4000ドル(約735万円)で、1年前から22%上昇した。これに対し、内燃エンジン車の平均販売価格は4万4400ドル(約604万円)で同14%の上昇にとどまった。