(写真:アップルHPより)
米アップルの音楽とゲーム配信サービスの合計売上高が2025年までに36%増の82億ドル(約1兆1000億円)規模に達する見通しだとロイター通信が6月13日に報じた。米JPモルガンのアナリストらが分析した。アップルは、スマートフォン「iPhone」をはじめとする同社製端末の膨大なユーザーベースを利用して、サブスクリプション(定額課金)サービスの強化を狙っている。
アナリストらは、アップルの音楽配信サービスとゲーム配信サービスの合計利用者数が25年までに約1億8000万人に達するとみている。内訳は音楽配信が1億1000万人、ゲーム配信が7000万人。依然として続くインターネットの急速な普及と急成長するゲーム市場によって後押しされると、分析チームリーダーのサミク・チャタージー氏は指摘する。
Apple Music、70億ドル規模に
アップルが有料の音楽配信サービス「Apple Music」を世界100カ国以上で始めたのは15年6月だった。音楽ダウンロード販売で確固たる地位を築いた同社が、次に目指したのが聴き放題のサブスクリプションサービス(音源をローカルデバイスに保存しない「ストリーミング」サービス)だった。
その狙いは見事に当たった。米国では16年、音楽ストリーミングサービスの年間売上高が同国全レコード(録音)音楽売上高の51%になった。Apple Musicは現在、スウェーデンのスポティファイ・テクノロジーに次ぐ規模のサービスとなっている。JPモルガンはApple Musicの売上高が25年までに約70億ドル(約9400億円)に達すると予測している。
Apple Arcade、12億ドル規模に
アップルが定額制のゲーム配信サービス「Apple Arcade(アップル・アーケード)」を始めたのは19年秋だった。サービス開始当時、アップルは新作や独占配信作品、オリジナル作品を含めて100以上のタイトルを用意し、その大半でそれぞれ数百万ドルを投じると英フィナンシャル・タイムズなどが報じた。同紙によると、アップルがゲームタイトルに費やした金額はサービス開始当初で5億ドル(約670億円)に上った。
米調査会社のイーマーケターは、22年中に米国人口の半分以上(54.2%)がデジタルゲーマー(専用機ではなくスマホやパソコンでゲームを遊ぶ人)になると予測している。うち、モバイルゲームは最大市場で、米国人口の48.3%(1億6290万人)がスマホでゲームを遊ぶようになるとしている。
JPモルガンはアップルのゲーム配信サブスクリプションサービスの売上高が25年までに約12億ドル(約1600億円)に達するとみている。
アップルは音楽やゲーム配信サービスの売上高を公表していない。だが、これらサービスやアプリストア「App Store」、動画サブスクリプションサービス「Apple TV+」などを合わせたサービス事業の売上高は22年1~3月期に前年同期比17.3%増の198億2100万ドル(約2兆6700億円)となった。同社のサービス事業は今やiPhone事業に次ぐ規模となり、成長率は他のどの事業部門よりも高い(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。
サービスの提供国を拡大
iPhoneはアップルの全売上高の大半を占める主力製品。だが、スマホの世界的な普及に伴い、iPhoneの販売がかつてほど伸びなくなった。こうした中、同社はサービス事業に力を入れている。
アップルは20年4月、アプリ配信や音楽配信などの同社サービスの提供国を大幅に拡大したと明らかにした。アプリ配信のほか、ゲーム配信やポッドキャスト、クラウドサービスなどを、カメルーンやコートジボワールなどのアフリカ諸国、ボスニア・ヘルツェゴビナやジョージアなどの東欧諸国、そして中東やアジア太平洋地域など、計20カ国で新たに始めた。
同社サービス事業で最も規模が大きいApp Storeは計175の国と地域で展開するサービスとなった。また、Apple Musicもアフリカや中南米などの52カ国を追加して計167の国と地域で提供し、中南米ではバハマやジャマイカ、ウルグアイなどもサービス対象国とした。






