米グーグルのロシア子会社が近く同国の裁判所に破産申請すると、米ウォール・ストリート・ジャーナルやロイター通信が5月18日に報じた。
グーグルは声明で、「当局がロシア子会社の銀行口座を差し押さえたことで雇用と、従業員への給与支払い、取引先への支払い、金融上の義務履行が不可能になり、ロシアオフィスが機能しなくなった」と述べた。「グーグルロシアはすでに破産申請の意思通知を提出した」(同社)という。
ロイターは、米国のテクノロジー大手が銀行口座全体が差し押さえられたと明らかにしたのは初めてだと報じている。
従業員の大半、ロシア国外に移住
ウォール・ストリート・ジャーナルは関係者の話として、グーグルは従業員の大部分をロシアから出国させたと報じている。近い将来、同社はロシアの商業拠点を完全に手放すことになるという。
グーグルのロシア従業員の大半は国を離れてロシア国外で働くことを選択した。多くはグーグルが大規模オフィスを構えるアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに移るという。また一部はロシアに残り、会社を辞める選択をした。近いうちにロシアでグーグルの従業員はいなくなるという。
だが、グーグルは破産申請後も同社サービスがロシア国内で利用できるとしている。グーグルはロシアで検索サービスや動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」、メールサービス「Gメール」、地図サービス「グーグルマップ」などを提供している。
100億円超の罰金支払い命令
ウクライナ侵攻以降、ロシアと欧米テクノロジー企業との関係はますます悪化しており、今回の破産申請と従業員の撤退はそれを浮き彫りにしていると、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。