米調査会社のIDCによると、ロシアのクラウドサービス市場ではマイクロソフトのシェアが17%で最大。これに米アマゾン・ドット・コムの14%、IBMの10%と続き、ロシア企業ヤンデックスのシェアは3%にとどまる。

グーグル、ネットフリックス、アマゾンなどもサービス・販売停止

 消費者向けネットサービス企業では、米グーグルが検索サイトと動画配信サービス「YouTube」の広告を一時停止。モバイルOS「Android」向けのアプリストアでは有料アプリやサブスクリプション(継続課金)の提供をやめた。

 動画配信大手の米ネットフリックスもロシアでのサービスを停止。ネットフリックスは同国での番組制作なども見合わせた。政府系テレビ局などの放送の配信を義務付ける新たな規制に従わない意向も表明した。民泊大手の米エアビーアンドビーはロシアとベラルーシで全事業を停止している。

 一方、米メタは政府系メディアへのアクセスを制限していたが、これに通信監督庁が反発。ロシア当局は3月初~中旬にSNS(交流サイト)「フェイスブック」と写真共有サービス「インスタグラム」を国内で遮断した。

 アマゾンは3月8日に、ロシアとベラルーシの顧客に対する小売製品の出荷を一時停止したと明らかにした。両国におけるクラウドサービスの新規契約や、外部販売業者による出品の受け付けも中止。動画配信サービスのロシアからのアクセスを一時停止したほか、同社がロシアで直販するビデオゲーム「New World」の注文受付を終了した。

 このほか金融関連企業では、米決済サービス大手ペイパル・ホールディングスや米クレジットカード大手のビザ、マスターカード、アメリカン・エキスプレス(アメックス)などもロシアでの業務停止を表明している。

エール大学のまとめ

 米エール大学はロシアからの撤退を決めた多国籍企業の一覧をウェブサイトで公開している。

 これによると、販売や事業活動の停止を発表した企業は4月7日時点で約600社。一方で、約160社が事業の停止・縮小を躊躇している。また、新規投資・開発は延期したものの、実質的な活動を続けている企業は約100社あるという。

 (参考・関連記事)「ウクライナ副首相、米欧IT企業にロシア事業停止要請 | JDIR