ウクライナの交通情報、人混み情報を一時停止
一方でグーグルの動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」もRTなどのロシア国営メディアの広告出稿を禁止し収益化を阻止したほか、ウクライナ国内でこれらメディアへのアクセスを制限している。
また、ロイターによると、グーグルは2月27日、地図アプリ「Google Maps」で、ウクライナ国内のライブ道路交通情報や、店舗などの混雑情報の提供を一時停止したと明らかにした。住民の安全のために地元当局などと協議した結果、ウクライナ国内のこうした情報は世界からアクセスできないようにしたと説明している。
ツイッターも監視体制を強めている。すでにウクライナとロシアで広告掲出を中止したほか、誤情報投稿の削除にも力を入れている。サイト安全性の責任者を務めるヨエル・ロス氏によると、今後はロシア国営メディアのウェブサイトへのリンクがある投稿に注記をつける方針だという。
ポーランドとバルト3国首相、対策強化要請
一方で、米テック大手の対策は不十分だとも指摘されている。CNBCやロイターによると、ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニアの4首相は2月27日、グーグル、ユーチューブ、メタ、ツイッターのCEO(最高経営責任者)に共同書簡を送り、対策の強化を求めた。
首相らは「ロシア政府の前例のない攻撃に対処するために各社は多大な努力を払ってきたが、十分な成果を上げていない」と指摘。「侵略戦争や戦争犯罪、非人道的犯罪を否定、賛美、正当化するアカウントへの事前対応的な取り組み」を要求した。
こうした状況についてニューヨーク・タイムズは、「各社はテクノロジー大手としての力量を試されており、難しい局面にある」と報じている。対策が不十分であれば批判を浴び、欧州や米国で規制当局からの締め付けが強まる可能性がある。一方で、ロシアでは事業停止に追い込まれ、巨大市場を失う恐れがあると報じている。
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