折り畳みスマホ、21年は3.6倍の710万台

 一方で、米調査会社のIDCによると、21年における折り畳み式スマホの世界出荷台数は前年比約3.6倍の710万台だった。同年のスマホ全出荷台数は13億4890万台で、折り畳み式が占める比率はわずか0.5%にとどまった。

 だが、その成長は目覚ましいという。25年には出荷台数が2760万台となり、市場規模は290億ドル(約3兆3300億円)に達するとIDCはみている。

 折り畳み式スマホの20年から25年にかけての年平均成長率(CAGR)が69.9%であるのに対し、従来型スマホのCAGRは3.1%にとどまるという。

 折り畳み式スマホ市場は依然として規模が小さい。「だが、消費者の観点から考えると、スマホに起きた最も革新的な視覚的変化であり、メーカーにとって無視できない市場分野。法人分野では、各社が従来のスマホとタブレット端末に代わる新たな製品と位置付けている」(IDC)。

けん引役はサムスン

 IDCによると、この市場をけん引しているのは韓国サムスン電子。横方向に開く「Galaxy Z Fold」と縦方向に開く「Galaxy Z Flip」が従来モデルの欠点を補っており、新たな顧客も獲得しているという。

 また、他社も新モデルを発売している。この形態の人気が高まるにつれ、より多くのメーカーがサムスンからシェアを奪おうと市場参入してくる、とIDCは予測している。

 9to5Macの別の記事によると、前述した著名アナリストのクオ氏は21年3月時点で、アップルが23年にiPhoneの折り畳みモデルを発売すると予想した。また、同年5月に公表した投資家向け資料で同氏は、アップルが折り畳みiPhoneを初年に2000万台出荷する計画だと報告していた。