サムスンのシェアは20%。同社は前の四半期(21年7~9月期)に首位だったが、10~12月期は2位に後退した。3位の小米のシェアは12%。OPPOとvivoはそれぞれ9%と8%だった。

 また、世界スマホ市場全体の出荷台数は前年同期比1%増にとどまった。メーカーが直面しているサプライチェーン問題に加え、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」の感染拡大が影響した。

メーカーの工夫で難局を乗り切る

 カナリスのモビリティー部門担当副社長のニコール・ペン氏によると、部品メーカーは辛うじて生産力を高めることに成功した。だが、主要半導体メーカーが生産量を大幅に増やすまでには数年かかると、同氏はみている。

 こうした中、スマホメーカー各社は状況を見極めながら、さまざまな工夫をして難局を乗り切った。例えば(1)製品仕様を変更して素材を入手可能なものに変更した。(2)半導体を確保するため、新興メーカーなどの新たな供給元を開拓した。

 販売面では(3)製品ラインアップを極力売れ筋モデルに集中させたほか、(4)新モデルのリリース時期を調整した。

 大手メーカーはこれらの施策が奏功し販売を伸ばすことができた。その一方で、サプライチェーンの停滞が低価格スマホを主力とするメーカーに打撃を与えている。この状態はしばらく続くとカナリスはみている。カナリスは「22年上半期いっぱいは、サプライチェーンの混乱が解消することはない」とも指摘している。

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