米議会上院で提案されたIT(情報技術)大手の規制強化法案を巡り、米アップルなどが反論している。アップルは、「iPhone利用者に対するセキュリティー侵害のリスクを高めてしまう」と主張している。米CNBCや米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが1月18日に報じた。
アップル「セキュリティーの脅威にさらす」
エイミー・クロブシャー上院議員(民主)などが提案した「オンラインにおける米国人の選択と技術革新法」と、リチャード・ブルーメンソール上院議員(民主)などが提案した「アプリマーケット開放法」を上院司法委員会の競争政策・反トラスト・消費者権利小委員会が1月20日に審議する。
法が成立すれば、「サイドローディング」と呼ばれる正規ストア以外からのアプリのインストールが可能になるとみられている。
アップルの政府担当シニアディレクター のティモシー・パウダリー氏は1月18日に議員宛の書簡を送り、「当社のアプリストアであるApp Storeによる保護のない場所からのアプリは正規の検査が行われず、利用者をセキュリティーの脅威にさらす」と述べた。
同氏は「法案は、利用者のデータに対して無責任な人たちを優遇することにもなる」とも主張している。
クロブシャー議員「独占状態の死守が目的」
これに対し、クロブシャー議員側は、「結局、サイドローディングに関するアップルの一貫した主張は、自社アプリストアの独占状態を死守したいということだ。アップルはこれを利用し、競合するアプリ開発者から高い手数料を徴収している」と批判した。
クロブシャー上院議員側は「はっきりさせよう。利用者のプライバシーとセキュリティーを保護しながら、消費者に選択肢を与え、競争を促進させることなど、数兆ドル規模の企業にとって十二分に可能だ」とも述べた。