韓国当局が米グーグルや米アップルのモバイルアプリストアに罰金を科す規制案を公表したと、ロイターが11月17日に報じた。
罰金、韓国内アプリ収入の最大2%
グーグルやアップルがそれぞれのアプリストア内で、アプリ開発者に対し自社決済システムだけを利用するよう強制する場合に罰金を科す。韓国放送通信委員会(KCC)は同日、国内のアプリ関連収入の最大2%に相当する罰金を科す案を公表した。また、アプリストア運営会社が、不当に特定アプリの承認を遅らせたりアプリを削除したりした場合は、最大1%の罰金を科すとしている。
アプリ開発者が、他の決済システムを利用したことで、グーグルやアップルから不当な扱いを受けた場合も厳しく取り締まる。技術的な制約を設けたり手続きを困難にしたりして他の決済システムを事実上使えないようにした場合も「利用の強制」と見なすという。
韓国では、電気通信事業法の改正案が21年8月31日の国会本会議で可決・成立し、文在寅大統領の署名を経て9月に公布された。ただ、ロイターの別の記事によると、その後KCCが改正法の規制案を策定していた。今後専門家などから意見を聞いた上で、22年3月までに施行される見通しだとKCCは説明している。
韓国では、自国のサムスン電子とLG電子製スマートフォンを利用している人が約75%に上る。グーグルのOS「Android」とアプリストア「Google Play」の利用者が圧倒的に多く、同社によるアプリ決済強制への反発が高まっている。こうしたことから、このアプリ決済強制禁止法は「グーグルパワハラ防止法」とも呼ばれている。
アプリ決済強制禁止法は世界初とされる。グーグルとアップルによるアプリストアの商慣行については米国や欧州などでも批判が高まっており、他国でも同様の法改正が進む可能性があると指摘されている。