ウォール・ストリート・ジャーナルによると、カナダの資産運用会社ブルックフィールド・アセット・マネジメントのブライアン・キングストンCEO(最高経営責任者)は、「金利が過去最低水準で推移する中、低リスク債券などの証券を保有するよりも、不動産取得の方が高いリターンが得られる」と話している。

 こうした中、マンハッタンやサンフランシスコ、シカゴなどのオフィス価格は下落傾向にある。これら米主要都市における不動産投資コストは1年半前に比べ低く抑えられているという。

不動産保有額トップ3、ウォルマート、アマゾン、アルファベット

 米調査会社S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、金融・不動産会社を除く米上場企業で土地・建物の保有額が最も大きい企業はウォルマート(1168億9000万ドル)。2位はアマゾン(573億2000万ドル)で、3位はグーグル親会社のアルファベット(497億3000万ドル)だ。

 この後にマイクロソフト(475億9000万ドル)、AT&T(419億9000万ドル)、マクドナルド(379億3000万ドル)、インテル(375億3000万ドル)、ターゲット(361億9000万ドル)、ベライゾン(335億4000万ドル)、ホーム・デポ(273億8000万ドル)と続いている。

 このうち2位のアマゾンが保有する不動産の大半は物流施設だ。一方、3位のアルファベットの不動産保有額は2011年の52億ドルから大幅に増加した。アルファベットは21年4~6月期時点で、1359億ドル(約15兆1400億円)相当の現金・現金同等物および短期投資を保有している。S&Pグローバルによると、この金額は金融・不動産会社を除く米上場企業の中で最大だという。

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