(写真:グーグルHPより)

 米グーグルは9月21日、ニューヨーク市のオフィスビルを21億ドル(約2300億円)で購入すると明らかにした米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、この金額は新型コロナのパンデミックが始まって以降、米国内のビル1棟の取引として最高額。米国の歴史の中で最も高額なオフィスビル売買取引の1つでもあるという。コロナ禍でオフィス空室率が上昇し賃料が下落する中、グーグルなどのテック大手は豊富な手元資金を背景に不動産物件への投資を拡大している。

東京ドーム2.6個分のビル

 グーグルが購入するのは、マンハッタン西側のハドソンスクエア地区にある、12万平方メートル(東京ドーム2.6個分)の「セントジョンズ・ターミナル」と呼ぶビル。

 グーグルはすでにこのビルの賃貸契約を結んでおり、これまで改装を進めていたが、契約に含まれていた購入オプションを行使することを決めた。22年1~3月期に売買手続きを完了し、23年半ばにオープンをする計画だという。

 これに先立つ21年3月、グーグルは年内に70億ドル(約7700億円)以上を投じ米国内でオフィスやデータセンターを拡張すると明らかにしていた。本社のあるカリフォルニア州で10億ドル超を投じるほか、計19州で施設を拡大し、少なくとも1万人のフルタイム従業員を新規雇用する。

カリフォルニア州に次ぐ規模

 ニューヨークではマンハッタン地区で、番地の異なる複数の大型オフィスビルを賃借・所有し、それらで「グーグル・ハドソンスクエア」と呼ぶキャンパスを構成している。グーグルにとって本社のあるカリフォルニア州に次ぐ規模のオフィス拠点だ。

 グーグルのニューヨークにおける現在の従業員数は1万2000人。今後数年で約1万4000人にまで増やす計画。今回購入を決めたビルは、販売や協業などのグローバル事業を展開するニューヨークの中核拠点になるとしている。