BNPLの仕組み

 Klarna社幹部は、このビジネスの背景を丁寧に説明してくれました。

 まず、ネットショッピングにおける「後払い」のニーズです。

 生活スタイルの変化に伴い、今や人々は、服や靴など、従来は店で試してから買うのが当たり前だったものまで、ネットで購入するようになっています。しかし、「結局は手に取って身に着けてみないと、自分に合うかどうかわからない」という商品は常に存在します。このため、1~2か月程度の後払いを望む消費者は存在するし、また、そうした消費者を顧客に取り込むことができる店側にとってもメリットがあるという説明でした。

 Klarna社は、短期の後払いサービスは無利息で提供しているため、ここから収益を得ることはできません。Klarna社の主な収益源は、店側がKlarna側に払う手数料です。この手数料をクレジットカード手数料に対して競争的にし、また、クレジットカードよりも多彩な後払いの選択肢を用意することで、Klarnaを店側にとっても魅力的なものとするよう努めているとのことでした。

 このようなサービスを可能にしているのは、Klarnaの、ユーザーの信用力を瞬時に審査できるノウハウです。

 Klarnaの与信の相手は、企業ではなく、ネットショッピングを利用する個人です。貸借対照表や損益計算書がなく、担保も持たない彼らの短期の信用リスクを評価する上で何よりも重要な情報は、購買行動や購買履歴そのものです。この点、Klarnaは自らのアプリを使わせることで、個々の消費者の購買行動や、これまでの後払いがきちんと履行されているかを把握できます。また、どういった特徴を持つユーザーの信用リスクが高くなりがちかなどを、蓄積される膨大なデータから分析し把握することができます。すなわち、eコマースのプラットフォーマー同様のデータを蓄積し、利用できることが、KlarnaをはじめとするBNPL企業の強みです。

 また、実際に店を訪れての買い物とは異なり、とりわけネットでの中古品売買などでは、消費者が売り手を全く知らないケースも起こります。この中で、Klarnaを利用すれば、売り手にクレジットカード番号などの情報を渡さなくても済むことも大きなメリットになります。これは、リスク防止という観点に加え、「Klarnaへの支払いが万が一遅延した場合でも、その情報がクレジットカード会社に流れずに済む」という観点からも、ユーザーにメリットがあります。