米CNBCによると、その目的は、同社の電子商取引(EC)商品を、より迅速かつ効率的に運ぶこと。

 国土の広い米国では、従来「プライム」会員向け配送サービスは翌々日配送が標準だった。だが同社は19年に標準サービスを翌日配送に短縮する目標を掲げ、物流事業への投資を拡大した。CNBCによるとアマゾンは当日配送にも力を入れており、対象地域を拡大している。ベゾス氏も当時、「この航空貨物ハブで、商品をより迅速に届けられるようになる。すごいことだ」などと述べていた。

アマゾン専用機、22年末までに85機超に

 アマゾンは、機材にも積極投資している。21年1月には、ボーイングの中型旅客機「767-300」計11機をカナダのウエストジェット航空と米デルタ航空から購入したと明らかにした

 現在は米航空貨物会社エア・トランスポート・サービシズ・グループ(ATSG)やアトラス・エア・ワールドワイド・ホールディングスなどがAmazon Airの運行事業者となっている。2020年には、コロナ禍を背景に米格安航空会社(LCC)のサン・カントリー航空とも提携。「ボーイング737-800」を貨物機に改造してアマゾンの荷物を運んでいる。

 アマゾンは米ゼネラル・エレクトリック(GE)の航空機リース部門であるGEキャピタル・アビエーション・サービシズ(GECAS)とも提携し、機材をリース調達している。

 CNBCによると、Amazon Airの貨物機は現在約75機ある。これを22年8月ごろまでにリース機を含めて80機超にし、22年末までには85機超に増やす計画。こうした中、航空貨物機や貨物トレーラー、配送バンなどで構成されるアマゾンの物流ネットワークは将来、米UPSや米フェデックスなどの大手に匹敵するものになるとの観測も出ている。