これまで、MacとiPadの売上高は新型コロナの影響による在宅の広がりで、大幅増を記録していた。例えば21年1~3月期の前年同期比伸び率は、それぞれ70%と79%。

 ウォール・ストリート・ジャーナルや米CNBCによると、アップルは21年4月、MacとiPadの業績について、半導体不足の影響を受け4~6月期に30億~40億ドルの売り減が生じると指摘していた。

 アップルの幹部は今回の決算発表で、影響を最小限に抑える施策によって4~6月期の逸失売上高が30億ドル弱にとどまったと説明した。

クックCEO「iPhoneとiPadにも影響及ぶ」

 だが、今後は問題が同社の主力製品であるiPhoneにも及びそうだ。アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は、「需要が我々の予想を非常に大きく超える製品分野では、生産のリードタイム(準備期間)内にすべての部品を用意することが困難になる」と述べた。

 CNBCの別の記事によると、クックCEOは半導体不足による部品供給の制約について認識しており、21年7~9月期のiPhoneとiPadの販売に影響が及ぶとの見通しを示している。

 また、アップルのルカ・マエストリCFO(最高財務責任者)は同年7~9月期の売上高について、4~6月期の増収率(36%)を下回ると予想している。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは先ごろ、世界的な半導体不足の波がついにスマートフォン業界にも押し寄せたと報じた。スマートフォンメーカーは通常、主要部品を約半年前に調達しており、自動車やパソコン、家電などのメーカーが直面しているような部品不足問題を回避してきた。だが、ここに来てスマホメーカー各社の在庫も減少しており、大手の出荷にも影響が出始めている。

 アップルはスマホ部品のサプライチェーン(供給網)に大きな影響力を持っており、これまでこうしたトラブルに巻き込まれていなかった。だが、たとえサプライチェーンの管理に優れた人物がCEOを務めるアップルであっても、今の状況から逃れることは困難だろうとCNBCは報じている。

 (参考・関連記事)「半導体不足、ついにスマホメーカーにも 危険水域に | JDIR