人材獲得競争におけるテレワークの意義

――先ほど人材を確保する上でのテレワーク活用、というお話がありました。

田宮氏 はい、テレワークを活用することで、より多様な従業員を受け入れて活躍してもうことが可能になるはずです。例えば、高齢になったベテランの従業員に長く働いてもらったり、体が不自由な方にも十分に力を発揮してもらったりするなど、通勤がなくなることで様々な可能性が広がります。首都圏への一極集中から脱却し、地域活性化・地方創生を進める上でもテレワークという選択肢が役立つはずです。

 ある転職サイトが行った意識調査では、大学生の企業選びの軸として「テレワーク制度の有無」がポイントを伸ばしています。こうしたデータからみても、テレワークの制度があるかどうかが、人材確保のしやすさに影響しているとわかります。

―― 最近は、入社後に一度もオフィスに出社していない新入社員の方もいるようです。

田宮氏 そうしたケースも珍しくはなくなるでしょう。大手電機メーカーや大手ITベンダーの中には、サテライトオフィスを活用することで本社オフィスの50%削減を掲げる企業も出てきています。先日話を伺った企業さんも、従業員が20%くらいしか出社していないとのことでした。今後は本社オフィスに出社しないことが当たり前になる企業も増えていくはずです。

―― 第1~3のワークスペースの重みづけが変われば、従業員の方が自分自身で働く場所を選べるようにもなりそうですね。

田宮氏 今後は副業をしていたり、フリーランスとして仕事を請け負ったりする人も増えていくでしょう。そうした就業形態の多様化や個々人の考え方の変化に合わせていくためにも、テレワークへの取り組みが重要な意味を持ちます。

 東京都の小池百合子知事は、「ワーク・ライフ・バランス」の言葉の順番を入れ替えて「ライフ・ワーク・バランス」という表現をしています。これまでは育児や介護といった局面を迎えた場合、仕事を離れてしまう方が多かったはずです。しかし、テレワークを活用すれば、仕事を継続してもらうことが可能かもしれない。そうした選択肢を広げておくことが、企業がテレワークを導入する目的の一つだと考えています。