徹底した「仕組み化」「制度化」で働き方改革を実現

コロナ禍で変化、「テレワーク」主体の職場づくり

JBpress/2020.11.19

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 建設コンサルタント業界のリーディングカンパニーとして躍進を続ける日本工営。インフラ整備に関わるコンサルティング事業・都市空間事業をはじめ、電源や電力装置を含む電力エンジニアリング事業にも定評があり、約160カ国以上において社会資本に関わるプロジェクトを成功に導いてきた実績がある。同社は、業界内でいち早く「働き方改革」に取り組んできたが、今年のコロナ禍をきっかけに、テレワークやオフィス環境の整備において大胆な制度改革を行った。同社の職場づくりに関する考え方やその背景について、人事部長の国峯紀彦氏と同部長代理の浅野隆人氏、生産効率推進室長代理の森岡昌昭氏に話を聞いた。

「働き方改革」と「生産性向上」の2軸で働き方改革を推進

 日本工営では、以前より「働き方改革」と「生産性向上」をテーマに、労働の質を重視した裁量的かつ多様な働き方を可能とする制度や環境の整備に注力してきた。これまでの取り組みについて、同社人事部長の国峯紀彦氏は次のように語る。

「多様性の受容やワーク・ライフ・バランスの確保など、働き方改革を推進することは、建設コンサルタント業界をけん引する当社の社会的使命の一つです。従業員が日本工営で働いてよかったと実感することが、顧客満足度の高い成果を出すための原動力になると考えています。これまでも、オフィスシステム、管理業務、生産活動における効率化を目指し、テレワークやサテライトオフィスの積極導入をはじめ、契約管理や営業ツールの電子化、労務管理の可視化、出産・育児支援など、さまざまな改革を進めてきました」

日本工営株式会社 
経営管理本部人事部 部長
事業戦略本部デジタルイノベーション部 生産効率推進室長 国峯 紀彦氏

 同社では2016年より順次テレワークやサテライトオフィスの導入を開始。その背景には、従業員の通勤時間削減によるストレスの軽減と時間の有効活用、個人の集中作業による生産性向上を促す狙いがあった。

「テレワークをはじめ、多様な働き方を容認することは、人材確保や離職防止につながると考えました。特に小さな子どもを持つ従業員は、テレワークのほうが効率よく働ける場合が多い。しかし、自宅で子どもの面倒を見ながら働くのも集中できない、かといって通勤するのは大変という声が上がりました。そこで、自宅や会社とは別に集中できる環境を整備するため、2019年7月より横浜とつくばにサテライトオフィスを設置し、運用を開始。約20席を用意し、利用対象者は入社6年目以上から部長職相当、週2回までの利用としました。テレワークに関しては社員区分等による対象者の限定やコアタイムの導入、上限は週2回までなどの規定を設けました」(国峯)

 同社が取り組んできた生産性向上策の事例では、RPAの導入や会議の効率化、ペーパレス化の推進が挙げられる。RPA導入の一例として、ホームページ経由で届く問い合わせメールを自動でエクセルにまとめるシステムを採用。広報担当者の作業省略化につながった。長時間かつ不要な会議を削減するため、会議効率化のガイドラインを策定し、事前資料の共有やペーパレス化、Web会議を推奨。今後は主要会議時間の40%削減を目指す。

 他にも、稟議や各種社内申請の電子化、電子サインの導入によるペーパレス促進、フレックスタイム制度による総労働時間の削減などに取り組んできた。

 同社が、働き方改革に関わるさまざまな取り組みを着実に推進できた背景には、各取り組みへの徹底した「制度化」「仕組み化」に秘けつがあると言えそうだ。