新型コロナの影響で人出に変化、位置情報から判明

クロスロケーションズが位置情報をAIで解析した結果を発表

栗原 雅/2020.3.26

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 また、都内の駅前にある複数のスーパーマーケットの来店客数について解析したところ、普段とは明らかに違う傾向がみられた。通常は平日午前8時や正午に来店客が集中し、午後1時~4時は減少する。ところが、2020年3月1日~7日は午前8時にピークがなくなったのに加え、正午を過ぎても客足が途切れることなく午後4時までほぼ横ばい状態が続いた(図3左)。

図3 駅前スーパーの来店客数の変化(左が平日、青線が2020年、赤線が2019年)。テレワークが広がり昼食時間の自由度が高まったためか、平日はランチタイム以降も客足が途切れなかった

 多くの企業がテレワークを推奨したことで、通勤時に朝食や飲み物を購入する客が減るとともに、ランチタイムの自由度が高まり、自身のペースで昼食をとる人が増えたためと推察される。

約2000億件の位置情報をマーケティングなどに活用

 クロスロケーションズが今回調査に利用したのは、同社のデジタルマーケティングサービス基盤「Location AI Platform(LAP)」。

 LAPは位置情報ビッグデータをAI(人工知能)で解析する機能を持ち、商圏の広がりや、商圏内を訪れる消費者のライフスタイルを推定する。消費者の行動傾向を曜日別や時間帯別に解析するのはもちろん、特定のエリアを訪れる消費者がどこから来たのかといった経路を性別や年代別にとらえることもできる(図4)。小田急百貨店やサンリオエンターテイメントが顧客開拓をはじめとするマーケティング活動でLAPを採用している。

図4 特定エリアを訪れる消費者の解析イメージ。どこから来た人が多いか、傾向を男女別に可視化できる

 LAPの大きな強みは、約2000億件という位置情報の件数の多さだ。位置情報は匿名のGPS(全地球測位システム)データとしてスマートフォンのアプリ経由で取得する。現在も月間およそ45億件のペースで新たに蓄積している。個々の企業が自社で接点を持っていない消費者のニーズを深掘りしたり、消費者の行動傾向の変化から嗜好の移り変わりをとらえたりして、新規顧客の発掘や既存顧客の離反防止に役立てることができる。