気象と自動車のデータを組み合わせ道路冠水を検知

ウェザーニューズとトヨタが共同でAIを開発

栗原 雅/2019.10.30

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トヨタ自動車と共同で冠水検知AIを開発してきたウェザーニューズ モバイル・インターネット気象事業のメンバー。右から石橋知博執行役員、矢野裕幸氏、西祐一郎グループリーダー

 ウェザーニューズとトヨタ自動車は、気象データと車両データを組み合わせて道路の冠水をリアルタイムに検知するAI(人工知能)を共同開発し、2019年10月に実証実験を開始した。冠水状況を詳しく可視化することで、局地的な豪雨や台風による被害の軽減に役立てる。

 最近は雨雲の発生状況とその後の動きを予測することで、豪雨に見舞われるエリアや時刻を見通すことができるようになってきた。だが、道路の冠水状況の検知はそれほど容易ではない。

 同じ道路であっても、わずかな高低差によって冠水している場所とそうでないところが生じる。また、降水量が同程度だとしても、側溝を含めた排水能力の違いにより、まったく水が溜まらない道路と冠水する道路がある。そもそも、冠水センサーが設置してあるアンダーパスや幹線道路などの一部を除けば、冠水の実態を正確に記録したデータが今まで蓄積されていなかった。

「道路の冠水は全国のいたるところで発生している。しかし、どれだけ雨が降ったかというような気象データだけだと、冠水地点を特定することはできない」。ウェザーニューズの石橋知博執行役員はこう話し、気象データと走行する車両からのデータを組み合わせて活用する意義を次のように説明する。「自動車は日本中の道路を移動するセンサーの塊だ。冠水による走行速度の変化などをリアルタイムにとらえられれば、広範囲を対象に冠水を検知して減災に役立てられる」。

走行の危険が増した地点をピンポイントで特定

 ウェザーニューズは気象観測器で測定し続けてきた降水量に加え、会員からスマートフォン経由で送られてくる冠水状況の報告画像(図1)を利用する。

図1 ウェザーニューズの会員からスマートフォン経由で送られてきた冠水状況の報告画像(ウェザーニューズ提供)
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