参入障壁を軽減。先進企業とベンチャーが一体となって市場を盛り上げる

「とりわけ注力しているのが技術の標準化です。認証技術の確かさやクオリティの水準を計測するための指標はすでにあるのですが、従来のものは多大な計測データを要するため、新規参入しようとするベンチャー企業ではなかなか基準を満たすのが難しいという課題がありました。

 せっかくこの領域が活況を示して、多くの人が参入を図っているのに、新しい技術の優れた面をアピールしづらい状態ではいけない、ということで必要最小限のサンプルデータでも機能や精度のレベルを示すことができるような方法を検討し、経済産業省の国プロの一つとして、国際標準化の提案をしていこうとしているところです。」(同)

 AIやIoT、ロボティクスなど、他のホットなデジタル技術領域同様の広がりと厚みを獲得するべく、無用な参入障壁を取り除くことでスタートアップ企業の参入を支援。業界をリードする幾つかの企業ですべてのシェアを取りに行くというのではなく、新たな発想や技術で参入してきたベンチャーも適正な評価を得て、投資や案件依頼を手に入れられる環境を創出し、健全な情報交換も進めながら育成しようというのが今の至上命題というわけだ。

「また、ここへきて生体認証へのニーズも多様化してきています。産業界で多くの企業が自社サービスへのログインに生体認証を採用しようとしているのはもちろんのこと、例えば、地方自治体などが運転免許証に貼付している写真から顔認証を行い、確実に本人認証していく手法を採り入れていたり、認知症などが原因とされる徘徊者の身元確認に生体認証を導入していたりします。さらに空港などの公共施設でも出入国者の確認に生体認証を用いるような計画が実現へ動き始めてもいます。

 こうして官民が多様な活用をしようとすれば、法律や規制上の問題が発生するケースも出てきますので、JAISAとしてはパブリックな意見の発信機関としての役割も果たしています」(同)