世界的に見ても、日本は生体認証の先進国

 素朴な疑問として「生体認証で世界最先端なのはどこなのか」という興味を抱いている人は少なくないはず。PCや携帯電話、AI関連の領域などなどで幾度も「後進国」のレッテルを貼られてきた日本だが、生体認証についてはどうなのか?

「何を基準にするかによって、先進国か否かの評価は変わってくるわけですが、少なくとも生体認証を実行するシステムや端末機の開発水準で見た場合、日本は確実に先進国だと言えます。

 例えば、携帯電話への生体認証の本格的採用は日本が先行し、スマートフォンでは世界的に一般化しました。PCに指紋認証や手のひら静脈認証のセンサーが内蔵され、広く利用されるという点でも日本は先行してきました。特に企業や自治体向けの市場では2000年代に情報漏洩の事件が続出したのを契機に、情報へのアクセス者を厳密に管理するために生体認証の導入が進み、現在でも、生体認証導入に積極的姿勢が続いています。Windows10 搭載のPCでは、個人でご利用の場合でも、多くの方が指紋認証や顔認証でのログインをご利用されていると思います。

 そして、今、BtoC市場のさまざまなサービスで、利用者の正確な認証と利便性を両立する技術として、生体認証が注目を集めています。今後、この分野で市場が大きく広がっていくと期待しています」(同)

 そう語った森原氏は、この2月に実証実験の開始が発表されたばかりであるローソンと富士通によるレジレスコンビニの取り組みにも言及。レジを通過せずに手ぶらで買い物が完了する、という発想と仕組みは米国で「Amazon Go」が2018年に実店舗化したわけだが、マルチ生体認証を用いたのは今回が世界初とのこと。また、入店や決済に顔認証システムを活用したコンビニの店舗は、セブン-イレブン・ジャパンとNECも開設しているとのこと。

 DX関連の話題でも度々話題に上るのが日本の「先進性における弱み」だが、企業や公的機関の姿勢次第では、今後次々に「世界初の試み」が登場する可能性は少なくなさそうだ。