地方在住で地銀が勧める投信を買うメリットを考える

決済や融資と資産運用で金融機関を使い分ける方法も

小島 淳/2019.7.2

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 筆者のように地方で育った人ならおわかりだと思いますが、地方における地方銀行(地銀)の存在は、大都市在住の方の想像以上に大きいものがあります。その地銀から投信(投資信託)の購入を勧められて、どのように考えればいいかと悩んでいる方がいるかもしれません。具体的には、地銀で投信を買うメリットは何なのか、それを検証してみたいと思います。

投信購入を勧誘されると断りづらい

 地銀の経営難が話題になっています。金融庁によると、全国の地銀106行のうち半分が本業赤字とのこと。本業赤字とは、貸し出しや投資信託の販売など、銀行の主力業務で採算が取れない状態を指します。日銀が2019年4月にまとめたレポートによると、10年後には約6割の地銀が最終赤字に陥ると試算されています。

 しかし前述したように地銀は、預金や融資でその地域の経済活動を支えるだけでなく、直接的・間接的に地域社会の運営に欠かせないインフラとなっています。

 このような“強大な地銀パワー”を根幹で支えているのが、地縁血縁による結びつきの濃さです。地元の経済界には、戦後復興期や高度経済成長、バブル経済、リーマン・ショックなど、長い歴史のなかで地元の金融機関に助けられ、一緒に歩んできたという認識が強く残っています。かつては、親類縁者の就職をお願いできたこともありました。「○○銀行(地銀)とお付き合いできたら一人前」というような、企業を評価するモノサシとしてのブランド力を持っています。

 勤務先や経営する会社、人によっては家族・親族、そして個人的にもお世話になっている可能性の高い地銀。その担当者から「新しい投信が発売されるのですがいかがですか?」などと言われたら、簡単に断ることは難しいかもしれません。その結果、よくわからないリスクの投信を小口で何本も保有する――そんな状況になってしまっている人もいるのではないでしょうか。