仕訳など「生」の会計データだけで融資が可能に

中小企業における融資のための準備作業を大幅に軽減

栗原 雅/2019.5.31

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 クラウド会計ソフトを手掛けるマネーフォワードの100%子会社、マネーフォワードファインは2019年5月、中小企業向けのオンライン融資サービスを開始した。新サービスの名称は「Money Forward BizAccel」。クラウドに蓄積された仕訳データや、オンラインバンキングの入出金データなどに基づいて融資先の信用度を評価するのが特徴だ。

 スタートアップ企業や中小企業は一般に融資を受けにくい。そのため、中小企業の資金需要は高まりつつあるが、十分に資金が行きわたっていないとされている。Money Forward BizAccelは、デジタルテクノロジーを駆使してこうした資金需要と供給のギャップを埋めるものだ。

 同社の家田明社長は「(銀行の入出金など)生のデータを活用することで、企業の信用度はかなり正確に評価できる。融資ビジネスのすそ野をもっと広げられると確信している」と話す。自信をもってこう言い切るのには、前職の日本銀行金融機構局金融高度化センター長としてプロジェクトを牽引した経験があるからだ。

写真1 マネーフォワードファインの家田明社長

 そのプロジェクトでは、受注データを使って企業の信用度を測る評価モデルを検証した。自動車メーカー系列の複数企業から継続的に安定した受注がある非上場企業をサンプルとして、向こう1年間で債務不履行に陥るリスクを計算した。すると、財務情報だけで算出したリスクはかなり大きな数値になったが、評価モデルではじき出したリスクは、財務情報に含まれてない受注状況や発注元の信用力が適切に加味され、「実感と近い水準になった」(家田社長)という。