「KEYVOXスマートロック」を発売したブロックチェーンロックの岡本健CEO(左)と日比章善CMO(右)

 ブロックチェーンやIoT(モノのインターネット化)が強みのスタートアップ企業、ブロックチェーンロックが2019年4月に発表した新製品「KEYVOXスマートロック」に注目が集まっている。スマートロックを集中管理するクラウドサービスをあわせて提供する点が特徴だ。

「KEYVOXスマートロック」(以下「KEYVOX」)は2種類の製品がある。一つは、玄関扉などのドアに通常のシリンダーキーの代わりに取り付ける「BCL-XP1」(写真1)。集合住宅や宿泊施設、オフィスビルなど総戸数が多い建物での利用を想定している。

写真1 ブロックチェーンロックが開発したスマートロック「BCL-XP1」

 ブロックチェーンロックCEOの岡本健氏は「リノベーションして開業するホテルの部屋の鍵などとして、1件あたり数十個を超える単位の発注がよせられている」と話す。発表直後から引き合いが相次ぎ、ほぼ1カ月で初回生産分の数百台が完売したという。空きスペースを活用した自習室やドッグランの運営を検討する企業などからの問い合わせも続いており、同社は追加生産を急いでいる。

 もう一つは、ドアに既設のシリンダーキーをそのまま利用するタイプの「BCL-XE1/MBJ」である。鍵を開閉するサムターンを操作するための器具を粘着テープでドアに貼り付けて解錠する。賃貸住宅や売買住宅が空室のときにだけドアに取り付けておけば、室内を内覧する際の鍵管理の効率化を図れる。設置が容易なことから個人宅での利用も見込んでいる。こちらは、アマゾンジャパンのECサイトですでに予約を受け付けており、早ければ8月に出荷を始める予定だ。