デジタル変革に立ちはだかる2つの壁とその解消法

IPAの調査で浮かび上がるデジタル変革の現状(2)

栗原 雅/2019.5.23

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 デジタルテクノロジーを活用してビジネス変革を推し進める「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に挑む企業が増えつつあるが、大部分はまだ十分な成果をあげられていない。その主な要因は何か、そしてそれはどのように乗り越えればいいか。

 情報処理推進機構(IPA)は「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の現状や課題を把握する目的で、東証一部上場企業1000社を対象にアンケート調査を実施し、2019年4月に発表した。調査結果の概略は前回お伝えした。
「5年以内に競争力が低下する」大企業が危機感
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56460

 調査結果から見えてくるのは、DXが進まない大きな原因のひとつが人材不足だということだ。調査では、不足している人材の充足方法も聞いている(複数回答)。

 5割以上の企業が人材不足感を極めて強く感じている「データサイエンティスト/AIエンジニア」の充足方法については、「既存人材からの育成」と「中途採用により獲得」がどちらも50%台となった(図1)。

(※4月12日公開の調査結果に誤りがあったため、5月27日修正後の調査結果に基づき本文の記述を修正しました。2019/5/28)

 これに対し、DXの取り組みを統括・主導する「プロデューサー」と、デジタルテクノロジーを生かしたビジネスの企画・立案などを担う「ビジネスデザイナー」に関しては、「既存人材からの育成」と回答した企業が8割超を占めた。つまり、DXを推し進めていくうえで欠かせない人材は社内で育てたいとの意向が強いものの、現状ではほとんどの企業が苦労している様子がうかがえる。

図1 DXの推進を担う人材の充足方法(出所:情報処理推進機構)
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「検討が進まない壁」にはまず推進役アサインから着手

 IPAのまとめによると、DXを推進する企業の前には大きく2つの壁が立ちはだかっているという。第1は、「検討が進まない壁」である。例えば、既存製品・サービスの高付加価値化を目指したDXで、十分あるいは、ある程度の成果が出ているとした企業が12%あった一方で、取り組んでいないとする企業が43.5%にのぼった。その原因のひとつが、「責任をもってデジタルを活用したDXを創造する担当者が不在」というものだった(図2)。

図2 DXに挑む企業に立ちはだかる第1の壁「検討が進まない」(出所:情報処理推進機構)
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