インフラ領域
インフラ系企業が主催するアクセラレータープログラムは、事業ステージを問わないものが多く、幅広いアイデアを募集している。また、IoTやAIなどの技術を用いたアイデアを求める傾向も多く見られた。
興味深いところでは、先端技術を活用して「人手不足」への対応を目指す企業がいくつかあったこと。労働人口が減少していく日本の未来を考えると、今後、この類のアクセラレータープログラムは増えていくと予想される。
・KEIYO GAS ACCELERATOR 2018
千葉県北西部で都市ガスの供給を行う京葉ガスが主催。「健康」や「教育」、「シニア・ライフスタイル」などガス会社らしく日常生活に関わるアイデアを募集するアクセラレータープログラム。また、「人手不足」や「インバウンド需要」などのアイデアも募っている。
エンタメ領域
エンタメ系企業が主催するアクセラレータープログラムも、事業ステージを問わないものが多かった。アイデアレベルの企画でもしっかりサポートしていこうという姿勢なので、スタートアップ側としては応募しやすい。
募っているテーマは各社さまざま。先端技術を駆使した新たな企画や、パブリッシャーが持っているコンテンツを生かせるアプリなどだ。中でも出版社のアクセラレータープログラムは興味深い。出版不況が叫ばれて久しい昨今、厳しい状況を打開するためのアイデアを出版社が募るというケースは増えてくるかもしれない。
・少年ジャンプアプリコンテスト
少年ジャンプ編集部(集英社)が主催。「少年ジャンプ」という媒体自体や掲載しているマンガ、そのキャラクターに関する新しいアプリ・WEBサービスを募集している。
サービス・その他領域
2018年上半期、もっとも多く行われたアクセラレータープログラムは、サービス・その他の企業が主催する領域だ。事業ステージを問わないものもあれば、事業化を前提にしているものもあり、幅広くアイデアを募集していた。
各アクセラレータープログラムのテーマも多岐にわたり、他分野の知識や技術を用いて、新しい取り組みをしたいという意気込みが感じられるものが多い。加えて、サービス系事業との親和性の高さからか高齢化社会へ対するアイデアの募集も散見された。ますます進む高齢化に向けて、今後このようなテーマのアクセラレータープログラムは増えていくはずだ。
・伊藤忠商事アクセラレーター2018
総合商社である伊藤忠商事が主催するアクセラレータープログラム。人口減少や超高齢化、少子化などの社会問題を解決し、より良い「働き方」や「暮らし方」のためのアイデアを募っている。
テクノロジー領域
テクノロジー領域のアクセラレータープログラムというと敷居が高そうなイメージがあるが、意外にも”事業ステージは問わない”という募集が多い。また、当然とも言えるだろうが多く見られたのは「AI」や「IoT」といったキーワード。この辺りのテクノロジーは依然として注目度が高いことがうかがえる。特に、AIなどの先端技術を社会で実用化するためのアイデア募集は今後、増えていきそうだ。
・IBM BlueHub
IBM BlueHub(日本IBM)が主催するアクセラレータープログラム。「テクノロジーによる日本発の革新的事業の創出」をテーマに、幅広くアイデアを募っている。