沖電気のオープンイノベーション活動
また、沖電気の大竹元康氏は、国内におけるデジタルヘルスケアの取り組みを通じて、オープンイノベーションの可能性を語った。同社では「Yume Pro」というオープンイノベーション活動を進めている。ヘルスケア分野に向けた取り組みの1つが、生活習慣病の予防と早期発見。具体的な取り組みとして歩行アプリを紹介した(動画を参照)。
歩行アプリではセンサーが組み込まれたスニーカーを使い、ユーザーの歩行状態をモニタリングする。健康に良い歩き方をするとプラスのポイントが得られる。このポイントは「Yume Coin」という仮想通貨サービスで、沖電気が福利厚生サービス業のベネフィット・ワン、企業内通貨サービスを提供するゼロビルバンクジャパンと共同開発したもの。Yume Coinはベネフィット・ワンが提供するレストランの食事券やチケットなど約2万点の商品に交換できる。
健康につながる行動が、ユーザーの直接的な「得」になる。このような仕組みを講じることで、「運動が大事なのは分かっているが面倒なのでやらない」という”患者予備軍”の行動変容に働きかけているのが特徴だ。スニーカーはスマートフットウエア分野のスタートアップ企業であるno new folk studio(東京都千代田区)が供給する。
沖電気は2018年4月にイノベーション推進部を発足。国連によるSDGs(持続可能な開発目標)で提起された社会課題を解決することを目標に、ヘルスケア分野の新事業を探っている。
またJINとイスラエルのCDIは共同でCDI Japan(仮称)を設立すると発表した。CDI Japanの活動目的は、イスラエルにおけるデジタルヘルスケア分野の組織網と日本企業を結びつけ、高齢化社会の課題を解決する新ビジネスを孵化させること。幹事企業はJINで、沖電気は最初の発起メンバー企業として加わる。9月末まで設立メンバーを募集する。