2018年7月31日に開催された「イスラエル デジタルヘルスケア イノベーション最前線セミナー」の様子

 国、医療機関、企業にまたがる国民の健康データの利活用。病院におけるオープンイノベーションの取り組みとデザイン思考によるサービス開発――。これらはいずれも、イスラエルの地で実践されているデジタルヘルスケアの取り組みだ。

 2018年7月31日に都内で開催された「イスラエル デジタルヘルスケア イノベーション最前線セミナー」に、イスラエルのデジタルヘルスケア業界の中心メンバーが登壇し、日本に全体像を明かした。メンバーはいずれも今回が初来日という。本セミナーは一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)と沖電気工業の共同開催である。

遠隔医療に注力、大切なのは使いやすさ

 イスラエル政府保健省CIO(最高情報責任者)のShira Lev-Ami氏は、イスラエル政府で同氏が過去5年ほどの間に先導してきたデジタルヘルスケアの取り組みを紹介した。

 Lev-Ami氏が強調したのは、データの整備と共有の重要性。「個人のヘルスデータを適切に共有し、治療や研究に活用できる体制の整備に力を入れてきた」(Lev-Ami氏)。

イスラエル政府保健省CIO(最高情報責任者)のShira Lev-Ami氏

 特に注力しているプロジェクトの1つが遠隔医療。センサーや医療機器を活用し、異なる拠点にいる医師同士が相談しながら患者を治療できる仕組みを整備中という。