塩野義製薬 人事部長の河本高歩氏(撮影:冨田望)
塩野義製薬が独自の人的資本経営を本格化させている。製薬業界が転換期を迎え、従来型の製薬モデルだけでは成長が難しいという危機感から、ビジネスモデルの転換を担う新たな人材の確保と育成を目指す。同社が進めている人事施策について人事部長の河本高歩氏に聞いた。
理念を受け継ぎつつ、新しい人材像を追求
──塩野義製薬(以下、SHIONOGI)は独自の人的資本経営に注力しています。どのような経緯や背景があるのでしょうか。
河本高歩氏(以下、敬称略) SHIONOGIはこれまで製薬企業として、一人でも多くの患者さまに役立つ薬を開発・提供することを主力事業としてきました。しかし今、世界の製薬業界を取り巻く経営環境は大きな転換期を迎えていて、従来の事業モデルだけで持続的に成長していくのは難しくなっています。
こうした状況の中で当社が掲げたのが、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」というビジョンです。
薬を単に開発・販売するのではなく、幅広い健康課題を見据えたサービスを総合的にご提供し、社会全体の健康に貢献していくことを目指すというものです。現在はビジョンを実現するために中期経営計画を推進しているところです。






