大企業が直面するイノベーションギャップ
なぜ多くの大企業がPlug and Playのプログラムに参加するのだろうか。Plug and Play Japan CSO(Chief Strategy Officer)の内木遼氏は、その要因の1つとして、競争に打ち勝つための達成レベルと大企業で達成できるレベルとの間にある「イノベーションンギャップ」の存在を指摘する。「顧客ニーズや製品ライフサイクルの多様化によって、このようなギャップが生まれている」(同氏)。
内木氏は、ノキアが携帯事業をマイクロソフトへ売却した際の同社COOの言葉が象徴的だという。その言葉とは、「We didn't do anything wrong, but somehow we lost(我々は何も間違ったことをしていない。しかしどういうわけか、負けてしまった)」というもの。この言葉を聞いて、明日は我が身と危機感を感じた大企業も少なくないだろう。
一方で、スタートアップの成長の勢いは増している。「テクノロジーの進展は、すさまじい。ユニコーン企業になるまで20年以上かかると言われていたが、5年、2年と短くなってきている」(同氏)
こうしたビジネス環境の中で、多くの大企業がイノベーションギャップの解消を目指すためにスタートアップの成長力を取り込もうとPlug and Playのプログラムへ参画しているというわけだ。
Plug and Play Japan CSO(Chief Strategy Officer)の内木遼氏