日本の大企業がシリコンバレーで成功しない理由
シリコンバレーにおけるパートナー企業250社のうち、日本企業は40社とアメリカ企業に次ぐ多さとなっている。日本企業の危機感が伺えるが、一方で日本企業による成功事例がなかなか生まれない現状があるという。
ヴィンセント代表は、その背景には日本本社とシリコンバレーとの物理的な距離以外にも、主に3つの要因があると分析する。
1つめが「スタートアップに対する社内理解の欠如」。スタートアップとの接点を持ったことのある人材が少なく、競合する意義について社内理解が進んでいないことなどがその背景にある。
2つめが「リソースの制約」。駐在員を配置する予算がないため情報収集が不十分だったり、英語圏の商慣習に慣れている人材が不足しているといった問題だ。
3つめは、「スタートアップとのミスマッチ」。シリコンバレーのスタートアップは、日本企業をそれほど重んじていない(優先度を低くみている)企業が多いのだという。また、シード期のスタートアップが多いために、日本の大企業が欲するような協業案が具体化できない、という面もあるそうだ。
2017年7月にPlug and Play JAPANを設立した狙いの1つが、こうした問題を解決することだった。ピッチ(事業プレゼン)イベントの実施や面談機会の提供など大企業と国内外のスタートアップとの接点を日本でつくり、日本の大企業のイノベーション風土醸成を支援する考えだ。