創立30年で4,000人世界二一拠点での日系企業支援

 日本企業のグローバル化は、試行錯誤を繰り返しながらも、確実に歩を進めている。それはたとえば、海外で働く人や日系企業の数を見れば一目でわかる。外務省の『海外在留邦人数調査統計(2014年10月1日現在)』によると、海外の在留邦人のうち「民間企業関係者本人」は約26万4,000人で、5年間で約3万2,500人も増えている。日系企業の数も約1万1,200社増えた。特にアジア地域で人も企業も増えており、アジアを舞台に、グローバル企業へのステージを確実に上げていく努力が続けられていることがわかる。

代表取締役社長 岩澤 俊典 氏

グローバル化は進んでいるが、課題は山積みだ。風土も文化も商慣習も違う国で、日本企業が持つ競争優位性を維持しながら、いかに現地に根づいていくか。アビームコンサルティング代表取締役社長の岩澤俊典氏は、「現在の動きは、事業そのもののグローバル化を目指すものであり、為替に対応した生産拠点の移行時代とは違う事業戦略や、IT基盤の確立が急務になっています」と語る。

その際、コンサルティングファームの支援は不可欠であり、日本企業のグローバル化に当たっては、日本企業を知り尽くし、海外市場についての理解も深いコンサルティングファームこそが強力なパートナーたり得る。アビームコンサルティングの存在意義、また高いプレゼンスもこの点にある。

アビームコンサルティングは、1981年に大手会計事務所グループのコンサルティングファームとして創立され、2003年に同グループから独立した「日本発・アジア発」のグローバル・コンサルティングファームだ。創立当初から、20年までにアジアの日系企業コンサルティング・マーケットでナンバーワンを目指すとして事業を展開している。社名の「ABeam」に、Asian Beam、つまりアジアの光線という意味が込められていることからも、意気込みがうかがえる。

日本にヘッドクォーターを置く一方で、海外では11の国と地域に21の独自拠点を設置(15年4月1日現在、子会社を含む)。また欧州のベリングポイントなど提携パートナーとの拠点数は32の国・地域、67拠点におよぶ(同1月28日現在)。アビームコンサルティングの従業員数は現在、約4,145人(同4月1日現在)。日本で生まれアジアで存在感を示すコンサルティングファームとしては最大級の規模を誇っている。