次期総選挙
日本丸が破損した訳ではない。ただ同盟国・アメリカ自身の金融破綻と呼ぶ大津波に、欧州も、中国も、悪乗りして来た為に、日本丸へ、更に大きく横波が打ち寄せて来た。
今日、日本国家の直面している「経済的混乱」を乗り切るには、日本丸の舵をとる政府の責任は重大である。
悲しむべきは民主党の態度
悲しむべきは、野党、とりわけ民主党の非妥協的態度である。民主政治は話し合いの政治である。
旧日本社会党時代、野党が与党と話し合って妥協することは、国民に対して裏切り行為だとキメツケていた。その古い姿勢が、小沢民主党の今日にも表れているのは驚きである。
世界中を巻き込んだ金融の恐慌に、各国が与野党一致して回復に取り組んでいる。それと比較して、日本では、この経済危機を、これ幸いと政権交代の好機と構えている各野党は、国家と国民を軽視した、党利党略とみえて仕方がない。
国民の眼は冷厳である。自公政権には、信用出来ないと、既に世論は示している。
その受け皿に民主党が第一と固まりつつある。ならば民主党に天下を委ねても大丈夫、野党であっても、決して国家と国民を忘れては居ないとの態度を示すことが必要である。
民主党が解散をあせる理由のもう1つは、昨年末にも解散は避けられないとみて、選挙体勢の万全を指示し、そのため相当の資金まで各候補者に支給したと聞く。その資金は欠乏していて、補給に苦しいとの苦境がわからないではない。
その点は、与党もまた野党と同様の運命に在る。嘆かわしいのは、そこには、国家と国民の存在が無視されていることである。なんと恥ずかしい国会に堕ちてしまったのか。
民主党内部の3つの問題
今年中には衆議院選挙が在る、その結果はどうなるか。民主党中心の野党が勝利するとマスコミは評価している。そうなるであろう。政権の交代は避けられないとみるが、「交代のされかた」が注目の的となる。
民主党中心の政権が出来れば、果たしてどうなるか。また、長続きできるのか。民主党が、現実性のある政党になれば、党内に造反が待ち受け、雑音がかまびすしくなり、マスコミは、今迄とは逆に、温かさが冷たさに変わるに違いない。
民主党の内部は、各種の集団の混合とみられ、その違いが目立ちはじめる。
まず第1に、松下政経塾出身の国会議員の集団がある。この人達は、極めて常識的であり、政策的には保守志向で、彼等の多くは、現在の小沢指導は意に沿わない。併し、1つにまとまらなければ、選挙制度上、勝利は無理だから、心ならずも同居しているとみる。
第2に、かつて私が所属していた民社党系の議員である。この人達は、外交、防衛政策では、小沢氏の主張とは相反する立場である。それなのに、残念だが声をひそめている。