「国軍の日」式典で敬礼する韓国の文在寅大統領(資料写真、2019年10月1日、写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 韓国が建造を決めた初の国産航空母艦は、果たして北朝鮮への対処だけが目的なのか。いや、実は日本に対する抑止や攻勢という戦略目的も含まれているのだ、という見解が米国で指摘されるようになった。

 まさかと思われる観測だが、韓国には実際に日本を脅威とみて海空軍の強化を図った過去の記録も存在するのだ。

米国、日本に次いでF35Bを搭載機に

 韓国国防省は今年(2020年)8月に韓国としては初めてとなる航空母艦を2021年から建造すると発表した。

 同発表によると、この国産空母の建造は、2021年から2025年までの国防中期計画に組み込まれている。建造するのは3万トン級の「軽空母」の予定で「部隊や装備品、物資を輸送し、垂直離着陸が可能な戦闘機を運用することができる」としている。艦載用の戦闘機としては米国製のF35Bを予定しているという。

 建造予算は艦載機分などを含めて17億5000万ドルほどに達し、実戦配備は2033年ごろになると予測されている。