最近、多くの新聞メディアが、ファーウェイなど中国の電気通信機器メーカー5社の製品やサービスを使用している日本企業は、2020年8月13日以降、米国政府と取引ができなくなると報道した。
このことは、米国で2018年8月13日に成立した「2019年国防権限法(NDAA2019:NATIONAL DEFENSE AUTHORIZATION ACT FOR FISCAL YEAR 2019)」に定められている。
「2019年国防権限法」の条文については後述する。
中国の電気通信機器メーカー5社とは「ファーウェイ(華為技術)」、「ZTE(中興通訊)」、「ハイク・ビジョン(杭州海康威視数字技術)」、「ダーファ・テクノロジー(浙江大華技術)」および「ハイテラ・コミュニケーションズ(海能達通信)」である。
ここで、5社の概要について簡単に紹介する。
「ファーウェイ」と「ZTE」は、共に中国を代表する電気通信機器の2大メーカーである。
「ファーウェイ」の主要製品はスマートフォンとモバイルネットワーク用の基地局である。
2019年の世界のスマートフォン出荷台数シェアによると、「ファーウェイ」がアップルを抜いて2位に浮上した。
また、次世代通信規格「5G」の通信網に使う基地局の出荷数が、2019年9月時点で、20万件を超えた。
米政府のファーウェイに対する制裁の中、欧州やアジアを中心に5Gで同社の製品を採用する動きが続いていることを示している。
一方、「ZTE」は国有企業であり、事業内容はファーウェイとほぼ同じである。
「ZTE」は、米国の制裁による業務停止や罰金支払いのため一時業績が大幅に悪化したが、2019年1~3月期決算は、8億6260万元(約143億円)の黒字となり、前年同期の54億元の赤字から回復した。