国防

災害派遣、現場自衛官から上がる悲痛な声なぜ政府は現場が活動しやすいように手を打たないのか

2011.04.14(木)  藤井 源太郎

水の残る被災地、遺体の捜索続く

仙台市で遺体を捜索する自衛隊員ら(2011年3月28日撮影)〔AFPBB News

美化することなく、英雄扱いすることなく、感謝も、慰労も求めておりません。ただただ、被災者の安心と被災地の復興のために必要な装備と、活動に対するご理解をいだたきたくて、国民の皆様にお伝え致します。

1.被災地の実情

 多くの被災者は、想像を絶する悲しみや心身の苦痛を伴いながらもなお、冷静さを保って不自由な生活に辛抱されておられます。

 しかしながら、被災地の現実は、きれいごとや美談ばかりではありません。

 被災地では、地震および津波発生以来、避難者の自宅への不法侵入による窃盗や、ドラッグストアやスーパーからの商品窃盗、銀行その他のATMや金庫の破壊および盗難、車両の給油口をバールでこじ開けてのガソリン窃盗なども発生しています。

被災者に生活物資を法外な値段で売りつける輩

 また、地元住民ではない人たちが自警団の目や警察の巡回をかいくぐって窃盗行為を行ったり、東京ナンバーの車両が、避難所周辺でロウソクやガスコンロ・ボンベなどの生活物資を法外な値段で売るような人もいます。

 捜索活動中に、バールなどでこじ開けられた金庫の残骸が多数発見されています。被災地では、マグロやサバ、特にイカの腐敗臭が非常に強くなっています。ご遺体の腐臭もあります。

 1カ月を経過して、今後ますます腐敗臭は強くなります。それは、自衛官の心身のストレスを高め、疲労させます。そして、泥は乾き、ご遺体の捜索、収容作業がますます困難になっています。

 津波の影響で、泥の上にがれきがあったのですが、がれきを撤去しても、その下の泥が日を追うごとに乾いて、ご遺体を隠してしまっているからです。

 一方、沿岸部では、海上自衛隊の掃海隊群が中心となって、ご遺体の捜索が行われています。その主体は、海の中で発見された不発弾や機雷等爆発物の水中処分(Explosive Ordnance Disposal:EOD) を任務とする水中処分員です。

少し力をかけただけでボロボロになる遺体

 こちらも、津波で流された木片や浮遊物といった障害物を除去しながら、捜索しています。特に、3週から5週目の間に、多くのご遺体は海中で膨張するため浮き上がってきます。そのため、地引き網より編み目の細い網で、慎重に収容します。

 少しのテンションでもぼろぼろになるので、丁寧に、丁寧に、棺やご遺体袋へ納めます。

 車から脱出できなかったご遺体や自宅ごと流され家から出られなかったご遺体は、なかなか浮上しませんので、極めて困難な収容作業となっています。

 しかし、このEOD員も、自民党時代から続く連年の人員削減、すなわち部隊の近代化、集約化と称する削減により、隊員数が少ないのです。

 横須賀、呉、佐世保にわずか4個隊(30隻)しかおらず、掃海隊が交代でことに当たっているものの、連日数度の捜索により隊員個々の疲労が蓄積しています。

 それでもなお、「我々は艦艇に戻れば温食、お風呂がある。現地で冷たい食事して、毛布にくるまって寝ている陸・空自の方が大変だ」という他部隊を労(いたわ)る言葉を発してくれます。

 いずれも梅雨が始まり作業が困難になってしまう6月までが勝負と、日々全力で作業に当たっています。

2.相変わらずの装備品不足 …
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