中国におけるデジタルデータ利用の凄さを実感する話を友人から聞いた。

 友人(男性)は先日、夫妻で中国の大都市Q市に旅行したという。その日は市内に宿泊、翌日は別の都市に列車で向かう予定になっていた。

 その数日間、Q市付近は予想より肌寒く、その気温に見合った服を持ってきていなかったため、翌日上着を買ってから次の都市に移動することにした。

 朝食後、夫妻はホテルからタクシーに乗り、市の中心部にあるショッピング街に向かった。「この店はどうだろう?」などと話しながらタクシーを降り、一軒の店に入った。

今降りたタクシーはどこに?

 店に入って少しして、友人が気がついた。「旅行カバンを持っていない! タクシーから下ろさなかったんだ」荷物を入れた旅行カバンは、タクシーに乗るときに後部のトランクに入れたのだが、それを出すのを忘れていたのだ。

 あわてて通りに出てみたが、タクシーは走り去ったあと。

 さいわいパスポートは2人とも身に着けていたが、サイフやクレジットカードなどほとんどのものが旅行カバンに入れてあり、ほとんど何も持っていないも同然だ。夫妻は顔を見合わせ「どうしよう!?」と呆然となった。「ひと昔前の中国に対する感覚だとそのまま盗まれて終わり、と思えたので非常にあせった」という。

 Q市を走っているタクシーは何万台もある。その中からどうやって探せばいいのか? レシートを受け取っていないので、タクシー番号はおろかタクシー会社すらわからない。