2月22~23日に都内で「専修学校フォーラム2011」が行われた。今後の職業教育のあり方、専門学校教育の方向性について様々な角度から考える、というイベントである。

 このフォーラム内で「クラウド時代に必要とされる人材とこれからの職業教育」というパネルディスカッションを開くので、参加してもらえないかという依頼があり、パネラーとして参加した。

 パネルディスカッションのコーディネーターは日本電子専門学校の古賀稔邦校長。パネラーは、大阪大学の金井一賴教授、ボーンデジタルの村上徹社長、デジタルハリウッドの齊藤知也氏、そして私であった。

 パネルディスカッションの趣旨は、「今後、パラダイムシフトの起こるクラウドコンピューティングに対応できる学生を、専修学校でいかに教育するか?」「今後10年間に必要となるスキルは何か?」というものだった。

 金井先生が「IT業界の用語についていくのは大変で、IT技術者との会話は女房と話しているようで、なかなか理解に苦しむことが多い。今度はクラウドですか?」と切り出し、会場から笑いを取ると、「情報システムに本当にパラダイムシフトが起きるのか」というテーマで議論が白熱した。

「パラダイムシフト」は本当に起きるのか

 IT業界では、ホストコンピューティングからクライアントサーバーへ、そしてWebコンピューティング、クラウドコンピューティングへ、というパラダイムシフトが起きている、と喧伝されている。情報処理推進機構によると、下図のような説明になる。

コンピューターシステムのパラダイムシフトに伴う人材のシフト。『IT人材白書』(情報処理推進機構)の図を基に作成

 この流れは本当なのかと、コーディネーターから私に質問があった。