マレーシアでは12月に入り、中国人観光客待望のドリアンシーズン到来。クアラルンプールで人気のリー兄弟が経営するドリアン露天には「中国人観光客だけでなく、在馬中国人も連日、押しかけているよ」とドリアン景気に期待する顔のリーさん(クアラルンプール、筆者撮影)

 ドリアンピザに、ドリアン鍋・・・。

 ドリアンの原産地、東南アジアのレストランのメニューにもないドリアンをメインに使った料理が、中国で人気だ。

 特に、これからの本格的な冬到来で注目度の高いドリアン鍋は、ビタミンB1など栄養度が高くミネラルも豊富で、ドリアンマニアを釘づけにしている。

 乾燥した冬には美容にも効果があるとして、流行に敏感な上海の若い女性の間で人気急上昇中。最もトレンディーな食べ物の一つとして定着しつつある。

 上海の繁華街にある「ココナッツ・チキン・ホット・ポット」でも、「ドリアン鍋は人気で、月に数十キロほどのドリアンを使う」(同店関係者)と言い、まさにこれからがシーズン到来、稼ぎ時だ。

 ドリアンは、日本では高級フルーツ店や百貨店などでしかお目見えしない珍しい東南アジアの果物。原産はマレーシア・インドネシア(ボルネオ島)だ。

 見たことはあっても、味わったことがない日本人が多いのではないだろうか。

 ラグビーボールより少し小さいくらいの大きさで、全体がトゲで覆われた何ともミステリアスな果物である。

 「玉ねぎが腐ったような」「汗でぐっしょり濡れた靴下」のような強烈な匂いを発するが、「匂いは地獄、味は天国」とも言われる。一度食べると病みつきになってしまう日本人も意外に多い。

 かく言う筆者もその一人だが、ほかのフルーツとは比較にならないほど栄養価が豊富で、しかも強精作用がある。