中国・上海の高層住宅

(花園 佑:中国在住ジャーナリスト)

 日本の書店で中国関連書籍を探すと相変わらず「中国バブル崩壊寸前」「20xx年、中国はクラッシュする」といった類の本が並んでいるのを目にします。ネットで検索すると、こういった中国崩壊論書籍は10年以上前から存在し、大体いつも同じような筆者によって毎年何冊も発行され続けているようです。

 しかし少なくとも現在、中国で住宅バブルが崩壊したり経済や社会が大混乱に陥りそうな状況は見られません。中国崩壊論の書籍で予測されたとおりにはなっていないということです。

 では、どうして中国崩壊論は実現しなかったのか? 2018年最後となる今回の記事では、これまで日本で指摘され続けてきたチャイナリスクについて分析、再検証してみたいと思います。

住宅バブルは沈静化している

 チャイナリスクとして日本人が最も注目するのは、なんといっても住宅価格の高騰、つまり住宅バブルでしょう。日本人にとって不動産価格の暴落、不良債権化はバブル崩壊を象徴する出来事でした。それだけに、当該リスクに対する関心は、他国の事情といえども一際強いものが感じられます。

 ただし筆者の印象では、ここ2~3年くらい、中国の住宅バブルが日本のメディアに取り上げられることはめっきり少なくなっている気がします。実はそれもそのはずで、中国の住宅価格は現在も上昇が続いているものの、そのペースはこのところ落ち着いており、はっきり言えば沈静化しつつあります。