米グーグルは10月16日、同社が無償提供しているモバイルOS「Android」の欧州におけるライセンスモデルを変更し、同社の主要アプリを採用するスマートフォンメーカーなどからライセンス料を徴収すると発表した。
アプリ、音楽、動画、書籍などのデジタルコンテンツを配信する「Google Play」や、電子メール「Gmail」、動画配信「YouTube」、地図アプリ「Google Maps」などが対象になるという。
EUの是正命令、5700億円の制裁金
欧州連合(EU)は今年(2018年)7月、グーグルがAndroidを利用し、ネット広告事業で他社の参入を妨げているとし、約43億ユーロ(約5700億円)の制裁金支払いを命じた。これは単独の企業への制裁金としては過去最高額。今回のライセンスモデルの変更はこれに応えたものだ。
グーグルは、この命令を不服として上訴しているが、欧州委員会(EC)は、10月29日までにこの行為をやめなければ追徴金を科すとしている。
EUは、グーグルが世界市場で8割以上のシェアを持つAndroidを利用し、自社のネット広告事業を有利なものにしているとしている。
グーグルはこれまで、Google Playをプリインストールして販売する端末メーカーに対し、同社の検索アプリ「Google Search」とウェブブラウザー「Chrome」も併せてプリインストールするよう義務付けていた。Google Playは人気アプリであり、この行為が、グーグルの検索広告とディスプレー広告を優位にしており、競争法に違反すると、EUは主張している。
グーグル製アプリのプリインストールを有償化
ザ・バージやウォールストリート・ジャーナルなどの米メディアによると、グーグルが今回、欧州経済領域(EEA)で取る措置は、次のようなものになる。