これらは研究結果の一部ですが、社員の幸福度を高めることこそが、ビジネス上の成果を上げるための鍵となるのです。「仕事における幸せ」と言うと、なんだかふわっとした話のように聞こえがちですが、これらのデータが示すように、実はマジメな経営テーマなのです。

 では、何があると私たちは幸せに働けるのでしょうか?

デンマークには「仕事における幸せ」を表す単語がある

 このテーマについて話すとき、いつも悩ましく思うことがあります。それは、日本語には「仕事における幸せ」を一言で表す言葉がないことです。何か良い単語が生まれてほしいと常々思っているのですが、英語でも「Happiness at Work」と1つの単語ではまだこの概念を表せません。社会での認知度や必要性が高まれば、おそらく1つの単語として扱われる言葉が生まれてくるはずです。

 実はデンマークには、「Arbejdsglade」(ah-bites-gleh-the)という言葉があります。ヨーロッパ、特に北欧圏では仕事における幸せの追求と実現が進んでいることがよく知られていますが、こんなところにもその現れがあるようです。

 アメリカはどうなのかと言えば、特にエグゼクティブ層では長時間労働が当たり前になってしまっている実情があると言われています。

 日本はどうでしょうか?

 私は先日、「Happiness at Work」を学ぶワークショップに参加するためにアメリカに出張したのですが、そこで日本の状況について、あるキーワードが紹介されました。それは、「過労死」です・・・。

 アメリカでも「オーバーワーク」という言葉が一般的に聞かれますが、定時には帰宅して家族との時間を過ごすというライフスタイルが定着しています。働き過ぎで亡くなってしまう、という状況を他のセミナー受講者に理解してもらうのに苦労しました。こういう不名誉な言葉ではなく、「仕事における幸せ」を示す日本語の単語が海外でも紹介されるように私も取り組んでいきたいと思います。