クーポン共同購入サイトの米グルーポンがIPO(新規株式公開)に向けて大手金融グループと協議していると複数の米メディアが報じている。

 米ウォールストリート・ジャーナルは、同社が既に4行以上の投資銀行と会合を開いており、話がまとまれば今夏にもIPOの実施を決定し、今年第3四半期にも上場する見込みと報じている。また米ニューヨーク・タイムズはIPOの時期を今春と伝えている。

IPOの主幹事狙って売り込み合戦

米ゴールドマン・サックス、第1四半期は好決算 増資で公的資金返済へ

世界最強の投資銀行ゴールドマン・サックスはブランクファインCEO自らがグルーポン本社に足を運んだ〔AFPBB News

 一方、米ブルームバーグは事情に詳しい関係者の話として、米ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)が1月14日にグルーポンのシカゴ本社を訪ねたと伝えている。

 グルーポンは米モルガン・スタンレーとも協議しており、それぞれの証券部門がIPO主幹事のポストを狙って売り込みを行っているという。

 同社を巡っては昨年12月に米グーグルが50億~60億ドルの提示額で買収しようと試みたが、結局同社はグーグルの提案を断ったと報じられている

 一連の報道ではグルーポンの取締役会が、独立会社として運営する道を選び、IPOも視野に入れるとの意向を示したと伝えられた。

 だが、その後同社は、米アマゾン・ドット・コムの財務部門副社長を務めていたジェイソン・チャイルド氏を最高財務責任者(CFO)に任命したと発表。この動きは同社が上場に向けて準備を始めたことを示すと言われ、それ以来、同社のIPOについて様々な観測が流れている。