しかし近年では企業業務はグローバル化が進み、データベースを世界中に展開する必要がある。分散した状態で整合性を確保することは、リレーショナルデータベースはあまり得意としていない。そこでリレーショナルデータベースの課題を克服するものとしてHadoopやNoSQLなどのデータベースが登場しているものの、Hadoopは分散処理のフレームワークであり台帳を分散して共有することには向いていない。NoSQLでは性能の代わりに整合性を犠牲にすることもある。企業業務で使うには整合性を保ちほか、高い性能も出せないとならない。

なお最近のビットコインでは急速に参加者が増えていることもあり、性能が追いつかない事態も起きている。例えば送金処理が終了するまでに数日以上かかるなどだ。まだ仮想通貨だから許されているのかもしれないが、企業業務の決算処理が数日単位で遅延するのは許容範囲ではないだろう。

現在Hyperledgerコミュニティでは企業業務で用いても遜色ない性能も含め、一貫性や拡張性も保ちながら実用化できるようにと開発が進められている。ブロックチェーン技術はデータを分散して共有するための技術だ。これまでのように同一企業内で使うだけではなく、例えば同じ業界の複数の企業がデータを共有ためにも役立てられる。関係者間で共有することで処理のスピードを高め、コストやリスクを減らすなどメリットも生まれる。新しいビジネスのやり方も生まれてくるだろう。

今後Hyperledger Fabricはじめブロックチェーン技術がより洗練され、身近になり、メリットが理解されれば企業への導入は広まるだろう。それは今すぐではないものの、近い将来になりつつある。