米国のクレジットカード大手、マスターカード・ワールドワイドのウェブサイトにアクセス障害が起き、同社は8日(米国時間)異例の発表を行った。

 一時的にアクセスが急増し一部のサービスが中断したが、決済処理機能やカード保有者のデータは危険にさらされておらず、クレジットカードは安全に使えるとしている。

サイバー攻撃、創設者の逮捕後に急増

 欧米のメディアによると、同社は6日に内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の寄付口座を停止しており、同団体を支持する何者かがサイバー攻撃を仕かけたと見られている。

ビザ・マスターカードにサイバー攻撃、ウィキリークスとの取引停止に報復

ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏にインターポールが国際逮捕手配書を発行〔AFPBB News

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、こうした攻撃はウィキリークスの創設者がロンドン警視庁に逮捕された翌日の8日になってエスカレートした。

 マスターカードのサイトのほか、同じくウィキリークスの口座を停止にしたペイパル、ビザ・ヨーロッパ、スイス郵政公社も攻撃を受けており、アサンジ容疑者の逮捕状を請求したスウェーデン検察と原告女性の弁護士のサイトも被害に遭った。

 これらはウェブサイトに大量のデータを送信してサーバーの機能を妨害する「サービス妨害(DoS)攻撃」という手口。

 ミニブログの「ツイッター(Twitter)」やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「フェイスブック(Facebook)」などで攻撃を呼びかけていた形跡があるとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 まだ人物の特定はできていないが専門家は「匿名(Anonymous)」と名乗るグループによるものだと見ている。