ブータン訪問中の眞子さま、現地の弓技を体験

ブータンの首都ティンプーの国立弓技場で、現地の伝統弓技を体験される眞子さま(2017年6月3日撮影)〔AFPBB News

 秋篠宮眞子さまの婚約が明らかになり、嬉しいニュースでマスコミはもちきりである。皇室典範第12条で「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは皇族の身分を離れる」との規定に従い、眞子さまは皇籍を離脱されることになる。

 一方で天皇陛下の譲位のための法案が審議されている。本来、天皇の譲位と眞子さまの問題は全く関連のない事案である。

 しかし、女性宮家推進の民進党などはここを先途と、安定的な皇位の継承と公務を担う皇族の減少が問題だとして、譲位の特例法案の付帯事項で女性宮家創設を検討課題にしようとしている。

 永い皇室の歴史を見た場合、8人10代の女性天皇を含めて125代のすべての天皇が男性天皇の子孫(いわゆる男系天皇)である。8人の女帝も男系天皇で、次の男系天皇への中継ぎとして在位されただけである。

 皇室典範第1条の「皇位は、皇統に属する男系の男子がこれを継承する」という規定も、憲法第2条の「皇位は世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」も守られてきた。

 しかし、民進党などが主張する女性宮家の創設は、皇室典範(や憲法)の改正を意味する。すなわち、女性宮家主張の裏には、かつて日本の歴史になかった女系天皇の臭いも漂う。

 これを「皇室の終わりの始まり」という人もおり、日本国家の在り様を根本的に改変することを意味する。

 一昨年の安保法案国会で、民主党(当時)をはじめ多くの野党は、憲法を拡大解釈するもので、立憲主義に反すると主張して政府・与党を論難した。その野党が、今度は皇室典範も憲法も無視する暴挙に出ようとしており、場当たり主義の独善としか言いようがない。

女性宮家創設より旧皇族の復帰が先決

 連合国総司令部(GHQ)は、日本を高度な民主国家にするためとして大規模な改革に着手する。その第1が国家の基本法である憲法、そして歴史と伝統を担い、日本国家の真髄である皇室の改革であった。

 戦争に伴う法規慣例を謳うハーグ条約は「敵国の領土における軍の権力」を定めている。

 それによると、「占領者は絶対的の支障なき限り、占領地の現行法律を尊重」するとなっており、憲法と皇室典範の改正はGHQが日本の意志にも国際条約にも反して強行した不当なものであったことが明瞭である。