民間内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(Wikileaks)」が25万件におよぶ米政府の外交文書の公開を始めたことで物議を醸しているが、その中には昨年から今年始めに起こったとされる米グーグルを標的にしたサイバー攻撃に関する文書もあった。

 これは米国の在外公館と米国務省がやりとりした公電で、1966年12月から今年2月までの文書をウィキリークスが入手。

 ウィキリークスに協力する米ニューヨーク・タイムズや英ガーディアンなどの大手メディアが事前に文書の提供を受け、28日から公開している。ウィキリークスも同日からウェブサイトで順次公開を始めた。

グーグルへの攻撃は共産党政治局が指示

欧米紙が掲載理由を説明、ウィキリークス暴露文書

グーグルへのサイバー攻撃は中国共産党が指示したとウィキリークスが暴露〔AFPBB News

 ニューヨーク・タイムズの28日付電子版は、グーグルの中国国内サーバーへのサイバー攻撃について、中国共産党政治局が指示したと伝えている。

 この情報は中国のある人物が今年1月に北京の米大使館に伝えたものという。

 一連の攻撃は組織的なサボタージュで、政府の工作員や中国政府に雇われた個人のセキュリティ専門家などによって行われた。

 こうしたメンバーは2002年から、米政府や西側同盟国、チベットの最高宗教指導者ダライ・ラマ14世のコンピュータシステムへも侵入していたと伝えている。

 グーグルは今年3月、中国からのサイバー攻撃や当局から強要されている検閲を理由に、同国本土で提供していた検索事業から撤退。香港版サービス「Google.com.hk」経由で中国本土向けのサービスを提供することにした。

 当時から中国政府はサイバー攻撃の関与について否定していたが、今回のウィキリークスの文書で中国政府による関与の新たな証拠が明らかになったと言えそうだ。